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第2回 沖縄の若い人にも演歌に親しんでほしい

カラオケスタジオ 歌のさんぽ道 玉城徳丸(たまきとくまる)

作詞家生活35年を迎え、また経営する「カラオケスタジオ歌のさんぽ道」も来年でオープン15周年を迎えるという玉城さん。
沖縄を愛し、歌を愛する「はたらちゃー」にお話を伺いました。

プロフィール
玉城徳丸(たまきとくまる)さん
昭和17年9月28日生まれ、今帰仁村出身。
作詞家・歌手として活動し、また「カラオケスタジオ歌のさんぽ道」を経営する。
<主なリリース曲>
『松竹梅』(作詞・歌)
『還暦音頭』(作詞・歌)
『俺は親父だ』(作詞・歌)
『歌のさんぽ道』(作詞・歌)平成17年に10周年記念曲としてレコーディング
現在も精力的に活動中。2009年11月までに50曲レコーディングを行い、2009年12月には、作詞100曲記念コンサートも行う予定。

職業「歌」、趣味「歌」

--どんなきっかけで、玉城さんは歌の世界に入られたのでしょうか?

初めて作詞をしたのが35年前ででした。その頃は那覇市でサラリーマンをやっていて。何とはなしに作詞してみたのがきっかけです。もともと活字中毒で、寝る前でも少しでも良いので本や雑誌の文字を読んでいました。また、他人ができることは自分にできないはずがない、という負けず嫌いな考え方をもっていたため、作詞もできると思ってチャレンジしました。
 
--どのように作詞するのですか?
 
私の場合は店が終わって帰宅し、真夜中に作ります。大体2時から5時くらいに、静かな中で作るのが一番集中できます。「今日つくってみるかな」という感じで作業に入りますね。

--作詞家、歌手というのは特殊な職業だと思いますが、どんなところが魅力ですか?
 
これまで16曲の詩をご提供させていただいたのですが、自分の作品が人様の評価を得て、信頼され、対価としてお金をいただく。これはつくった人間にしかわからない喜びだと思います。また、自分の曲がラジオや有線放送から流れてくることは非常に魅力的なことですね。

沖縄は「演歌不毛の地」

--沖縄といえば三線を使った音楽など独特の文化で育まれた独自の音楽がありますね。

そうなんです。沖縄の民謡は主に三線を使用した、ゆったりとした歌い方とメロディーが特徴です。こぶしを効かせて歌う演歌とは大分違いがありますね。このため沖縄は「演歌不毛の地」と言われているんです。沖縄の音楽文化は大昔から確立されたジャンルがあるから演歌が根付かない、と。でも沖縄の人は歌が大好きですし、演歌が好きな人もたくさんいるんですよ。そういう方のためにも、沖縄の音楽をさらに豊かにするためにも、沖縄で若い演歌歌手が誕生するなどして演歌が広がっていければいいなあと思っています。
 
--人生のターニングポイントを教えてください。
 
やはり作詞を始めたこと、脱サラしてお店をもったことです。作詞家にならなければ出会えなかったであろう人との出会いはとても大きな財産です。
また、人との出会いが考え方やものの見方を広げることにもなりました。その人がどんな思いをこめてその台詞を言っているのか、いろいろと想像します。例えばCMを見ているだけでも、出演している俳優さんがどのような思いをこめてその台詞を言っているのか色々な想像をします。昔お酒「松竹梅」のCMの中で石原裕次郎さんの「松竹梅」という台詞があったのですが、「どのような意味がこめられているのだろう?」「松・竹・梅というそれぞれの強さは人生の生き様についての思いが込められているのではないか?」などと考えたりもするほどです(笑)

沖縄の若者にも演歌を

--玉城さんは「沖縄生まれ、沖縄育ち」という生粋の「うちなー」ですが、沖縄のいいところはどこだと思われますか?

私は沖縄の人々の人間性が大好きです。今までお付き合いさせていただいた方はとても温かい人ばかりです。沖縄の人というと、南国ですので「人情味がある」「健康的で明るい」というイメージをもたれると思いますが、そのイメージ通りだと思います。
また、私は今帰仁村の出身ですが、豊かな自然が残っているところも沖縄のいいところです。
 
--具体的に好きな場所はありますか?

一年のほとんどをお店で過ごしているので、あまり外出はしないんですけどね(笑)。でも、首里城などの名所旧跡は好きですね。積み重ねられ、伝えられている歴史をどのように受け取るのかは自分次第だと思っています。温故知新というか、学ぶことが多くあると思うし、そんな歴史を感じることから新しいものが生まれるのだと思っています。
 
--それでは最後になりますが、今後の目標、玉城さんの「夢」をお聞かせください。
 
沖縄の民謡が注目されたときもそうですが、やはり若い人の力は大切です。沖縄の演歌に足りないものは、まさにその「若い力」です。若い演歌歌手が沖縄で出てくれればきっと注目され、盛り上がることができると思うんです。沖縄出身の若い演歌歌手が誕生し、沖縄の演歌界が盛り上がることが私の夢です。
そこで来年、お店の15周年記念もかねて「ジュニア演歌塾」なるものを開催しようと考えています。
--若手の育成に向けて自ら動く、ということですね。
 
祈ってばかり、他人任せではなにも変わりませんからね。できることはやっていきたい。
ジュニア演歌塾で小学校2、3年生くらいから中学2年生くらいまでを対象に無料で演歌指導をして、演歌に触れてほしいと考えています。
自分が育てたチビ演歌歌手たちが成長し、演歌界を盛り上げてくれたら最高ですね。
<編集後記>
沖縄には根付きずらいと言われる演歌を広めたい、と還暦を過ぎててなお精力的に活動を続ける玉城さん。
その姿はまさにうちなーのはたらちゃーのお手本です。
ジュニア演歌塾で多くの子供たちが演歌に触れ、その魅力を感じることで沖縄発・演歌歌手が誕生する時が楽しみです。歌が大好きな小中学生は歌のさんぽ道で演歌に触れてみませんか?