地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、那覇・浦添・豊見城の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

那覇・浦添・豊見城の地域情報サイト「まいぷれ」

あまくまマチグヮ~

第4回 「むつみ橋商店街」

雑踏の狭間の不思議空間~むつみ橋商店街の今・むかし~

今回ご紹介する「むつみ橋商店街」は、国際通りに面した入り口から約140メートルほど真っ直ぐに伸びた商店街です。
今回ご紹介する「むつみ橋商店街」は、国際通りに面した入り口から約140メートルほど真っ直ぐに伸びた商店街です。

むつみ橋交差点より、商店街の入り口へ

 むつみ橋のスクランブル交差点の風景は、多くの人に「那覇」を代表する風景として覚えられているものではないでしょうか?この交差点は今では川も橋も見られませんが、かつてはガーブ川に架けられた、国際通りをつなぐ「むつみ橋」があった場所です。

 この「むつみ橋」の名前は、戦後に公募で名づけられました。戦後のアメリカの統治下の沖縄において、「国際通り」は復興のシンボルでもありました。そこに架けられる橋は「国籍を問わず、市民同士むつみ親しんで欲しい」という願いを込められ、那覇市「市歌」の歌詞にある言葉を引用しているそうです。
 →参照ページリンク「那覇市」
 今では、ガーブ川は暗渠となり、その上に3階建ての水上店舗ができています。
 もう橋の面影はないと思いきや、水上店舗の側面1階部分を見ると、交差点が一段高く水上店舗の方に反り出しているような形になっています。低くなっている店舗入り口付近のコンクリートの一部には、歴史を感じさせる部分が見られます。これはもしかしたら橋があったころの名残かもしれません。
 国際通りに沖映通りが交差し、車道が三叉路になっているこの「むつみ橋」交差点は車も人通りもとても多い場所。
 スクランブル交差点の信号待ちをしていると、公設市場の方向に、ビルの三階よりも高い位置から掲げられた大きな看板たちに溶け込むように商店街の名前の看板が見えます。

 大きなアーケードの入り口は牧志第一公設市場に直進する「市場本通り」。観光客であふれています。
 そしてもう一つ。「市場本通り」の入り口の半分くらいの控えめな入り口が見えています。沖映通りから見て真正面のこの入り口の上には「むつみ橋通り会」の看板。今回紹介をさせてもらう「むつみ橋商店街」の入り口です。

むつみ橋商店街の歴史

むつみ橋商店街の路地から、国際通りを見る。
むつみ橋商店街の路地から、国際通りを見る。
 かつてガーブ川があった頃でいうと、「むつみ橋」からひとつ南の橋までの区間が「むつみ橋商店街」になります。今では水上店舗と道を挟んである昔ながらの商店との間に小さなアーケードが架けられています。
 観光客に溢れる国際通り、平和通り、市場本通りに三方向を囲まれるような立地ではありますが、路地を通りぬけてむつみ橋商店街に紛れ込むと、時間を遡ったようにゆっくりと穏やかな雰囲気の感じられます。あくせくした観光地の中心にあって、エアポケットのような、那覇の街の歴史を今なお留めている商店街なのです。
 終戦後の那覇の人の流れは、那覇市街地で最初に開放された壺屋地区から程近い、神里原通り、新栄通り(現サンライズなは)、そして南部地区からの入り口である開南から、次第に平和通り・国際通りへと向かっていきました。

 1951年には牧志第一公設市場が現在の場所に設置され、公設市場と国際通りをつなぐガーブ側の両側の道にも露天が並ぶようになりました。水上に迫り出すように簡易小屋を設置した店舗もあったようで、現在のむつみ橋商店街の原型ができてきています。

 1963年あたりにはガーブ川が暗渠になり、水上店舗が建設されました。1980年代ぐらいまでは人通りも多かったようですが、国際通りや平和通り、市場本通りの利用者の多くが観光者になっていくにつれて、あくまでも地元密着の商売をされるお店が軒を並べるむつみ橋商店街には、人通りが少なくなっていきました。
 今では営業しているお店も全盛期より少なくなりましたが、商店街の建物は4~60年前に建てられた当初のまま残っているものが多いです。

むつみ橋商店街「いま・むかし」散策

ここからは、現在の「むつみ橋商店街」をご紹介。
素敵なお店や、見所、路地を写真を中心に紹介していきます。
商店街チョイスの音楽を聴きながら、のんびりした時の流れにあわせて、ゆっくりと散策はいかがでしょうか?

見所 「い」

 むつみ橋交差点から水上店舗の側面にある看板部分を見てみると、間に挟まれてなつかしいチラシや看板も。「丸福レコード」さんは、数年前までむつみ橋商店街にあった、老舗のレコード屋さんです。
 この手すりから下を覗いてみると、昔の「むつみ橋」の時代のアスファルト(かもしれない)ものが見えます。
① 島唄ライブ 鳩間島

●TEL 098-861-2328 
●営業時間 18:00~24:00 (L.O.23:30) 
  
 むつみ橋交差点からすぐそばの、水上店舗2階にある民謡ライブもある沖縄料理・居酒屋。地元の常連さんも観光客の方も通うようなお店です。
 最高潮の時には、スタッフもお客さんも一緒に踊り、店内は音と熱気で溢れています。
 新鮮なお魚をはじめとした沖縄料理はもちろん、鳩間島出身の店主の朗らかな人柄も魅力です。

水上店舗 通り抜けA

むつみ橋通りから。右手には水上店舗2階に上る階段もあります。
むつみ橋通りから。右手には水上店舗2階に上る階段もあります。
市場本通りから。お土産屋の間の路地なので、比較的人通りが多いです。
市場本通りから。お土産屋の間の路地なので、比較的人通りが多いです。
② 中国物産館
 
●TEL 098-861-8574
●営業時間 10:00~19:00
 
 商店街が枝分かれする角に、まるでそこだけ中国のように、どっしりとした華やかなお店がお目見えします。
 お店には、中国の漢方薬、化粧品、陶磁器、酒、食品、生活雑貨などで溢れんばかり。奥行きのある店内には、こんなに大きな景徳鎮が!一見の価値ありです。

平和通りへ・通り抜けB

平和通り側からむつみ橋商店街への通り抜けはこの1箇所ですが、かなり見逃しやすい通り抜けです。
平和通り側からむつみ橋商店街への通り抜けはこの1箇所ですが、かなり見逃しやすい通り抜けです。
ここの枝分かれした道もむつみ橋商店街のエリアです。道がぐんと広くなります。
ここの枝分かれした道もむつみ橋商店街のエリアです。道がぐんと広くなります。

見所「ろ」

 水上店舗2階部分にある、レトロな看板「オリンパス食堂」。スキヤキなどを食べれた様子。
 1977年の「ゼンリン住宅地図」水上店舗にはしっかり名前がありました。30年以上前から営業していたようです。
 こんななつかしい風情の看板がまだいくつか残っているので、ぜひ上も確認しながら散策してください。

水上店舗 通り抜けC

むつみ橋通り側から。むつみ橋商店街の方たちから「フルーツの小道」と呼ばれている路地です。角の店舗で50年以上も毎日ここで果物を売っていたおばぁさんがいたそうです。
むつみ橋通り側から。むつみ橋商店街の方たちから「フルーツの小道」と呼ばれている路地です。角の店舗で50年以上も毎日ここで果物を売っていたおばぁさんがいたそうです。
市場本通りから。かなり細くて見つけにくい路地です。
市場本通りから。かなり細くて見つけにくい路地です。

見所 「は」

1955年の中心市街地の商店地図にも名前がある「マルイチマーケット」。平和通りから睦み橋通りまである、細長い店舗には多くの個人業者さんがお店を開いていたそうです。今も1件だけお店があります。
③ 有限会社東横
 
●TEL 098-863-1688
 
 裏地や芯地、その他洋裁の付属品を販売する老舗です。通りから覗くだけでも、壁一面にぎっしりと詰められた布たちが目を引きます。
 卸売りもされていますが、小売もしているので、常連のデザイナーさんもいます。
 アクセサリーにもなりそうな、細工が綺麗なボタンも充実しています。

水上店舗通り抜けD&南入口

市場本通りからむつみ橋商店街への路地。正面は元安木屋さんの建物。
市場本通りからむつみ橋商店街への路地。正面は元安木屋さんの建物。
牧志公設市場から近い、南側の入口です。看板のロゴがレトロで可愛い!
牧志公設市場から近い、南側の入口です。看板のロゴがレトロで可愛い!
④ SARA

●TEL 090-1946-0599 
●営業時間 13:00~19:00
 
 店舗は婦人服店ですが、特別販売している口コミでも人気のパパイヤ石鹸が好評です!パパイン酵素を配合した石鹸なので、お肌が柔らかく感じられるようです。
 通信販売や百貨店でも入荷されているこの人気商品が、ここのむつみ橋商店街価格(?)でしょうか、500円です。
⑤ 琉装撮影 ちゅら美人
 
●TEL 090-8408-6837
●http://www.plat-okinawa.jp/leisure/shop/detail.jsp?id=63979
 
 5月からOPENした驚きいっぱいのお店。琉球の髪型セット(カンプー)から着付け、写真撮影まで含めて10分。そしてお値段はなんと1000円!
 ご自身のデジカメや携帯写真でも撮影してもらうことができ、CD-Rでデータをいただけます。
 予約なしでも大丈夫なので、気軽に楽しく琉球の雰囲気を味わうことができます。
⑥ La La mimuna(ララミムナ) 

●営業時間
晴れの日 国際通りサムズステーキ前 12:00~22:00
雨の日 水上店舗1階 12:00~19:00 
※冬季は買い付けの為お休みの期間があります。
 
●http://timtimcorner.ti-da.net/
 
 店名は、モロッコの素敵な休日という意味なのだそうです。
 手作りのアクセサリーや革製品を販売されています。個性的で沖縄の風土にぴったりな作品たちは、元気の出る色にあふれています。

見所 「に」

商店街南入口のすぐそばの民家です。木造の欄干が凝っていて素敵。
ここあたりは、婦人衣料品やカーテンなどの布物の販売店が集積しています。

 むつみ橋交差点を基点にして8の字を描くようにぐるりと回ってみましょう。
 「むつみ橋商店街」を通り抜け、牧志公設市場へ。少し市場本通りを歩いて、路地を通り抜けて平和通りに出ます。平和通りの緩やかな坂を上り国際通りからむつみ橋交差点へと戻ると、那覇のまちぐわーの変遷がわずかな時間で体験できるようです。
 
●参考文献●
大濱聡『沖縄・国際通り物語-「奇跡」と呼ばれた一マイル-』,ゆい出版,1998年.
NPO法人まちなか研究所わくわく『みーきゅるきゅる Vol.4』「特集むつみ橋」,2006年.