ルイーズは39歳のコロンビア大学芸術学部の入学選考部の部長。同じ大学の教授であるピーターとは離婚したばかり。しかし、憎み合っているわけではなく、時には一緒にランチタイムを過ごしたりする。

不満はないけれど、充実感もない。
仕事はできるけれど、毎日は単調。

恋にもちょっと臆病で、週末は一人で過ごすことが多い。
そんな微妙な年頃のルイーズの前に、神様は思わぬプレゼントを用意した。20年前、交通事故で亡くなったスコットと同じ名前を入学願書の中に見つけたのだ。
信じられないルイーズだが、思わずスコットに電話して、個人面接をしてしまう。
そして目の前に現れたのは、亡くなったスコットそのままの青年だった・・・。

自分に、亡くなった恋人の面影を求めているなんて知らないスコットは、積極的に自分を求めてくるルイーズに恋をしてしまう。

15歳の年齢差など飛び越えて、恋に落ちる２人だが、ルイーズの心の中にはやっぱり迷いはある。

この2人の間に、かつてスコットを横取りした親友のミッシー、別れた夫のピーターが絡まり合いながら、物語は進んでいく・・・。
笑顔がとってもキュートなルイーズはローラー・リニーが演じている。
ふだんは控え目で思慮深いのに、スコットに関しては本能のままに向かっていくルイーズの気持ちの動きをリアリティのある演技で表現している。

ちょっと危ないミッシーはローラー・リニーとともに『ミスティック・リバー』で印象的な演技を見せたマーシャ・ゲイ・ハーデン。ルイーズに思いを寄せるスコットには、『スパイダーマン3』で、新悪役を演じている期待の新星、トファー・グレイス。

アメリカの映画を見ていてよく思うのが、女性がとても自分の心や体に忠実なこと。
恋愛に対しても、友情に関してもルイーズとミッシーは親友同士である反面、大切な恋人を取り合った仲。お互いに忘れていた感情がスコットの登場で、噴出する。
う～ん、この2人は本当に仲がよいのだろうか？と思うほど、あからさまに感情をぶつけ合う。

もしかしたら、昔うやむやにしてしまった感情に、それぞれが20年ぶりの決着をつけたのかもしれない。中途半端に終わった恋愛、友情に対する追伸『P.S.』（原題）なのかもしれない。

それに比べると、日本の女性は恋愛にも友情にもガードが固いような気がするなぁ。
私たちもそれぞれの『P.S.』を迎える時があるのかもしれない。
text
by...  向日葵P

2006/09/11